●相模川
延長:108.4km(建設省公称値)
流域面積:1687.0km2
山梨県内では桂川と呼ばれる。河川管理者は山梨県(山梨県部分)、神奈川県(神奈川県内の寒川取水堰より上流)、建設省(寒川取水堰より下流)。
山梨県山中湖を水源地とし、途中忍野村忍野八海の湧水等を加えながら北に向かい、大月市の浅利川との合流地点で東に方向を変え、神奈川県に入った後、相模台地に出たところで一転して南に方向を変え、相模湾に向かう。北→東→南と方向を変えながら流れている川は全国でも珍しいそうである。
明治時代、日本初の近代水道(ちなみに水道管に圧力を加えた水を送水する水道を近代水道と呼ぶそうである。近代以前の水道は「樋」のようなものに落差を利用して水を流す仕組みになっていたそうだ)を横浜に設置したとき、水源となったのが相模川である。
それ以来、相模川は文字どおり「神奈川県民の母なる川」として水を供給し続けてくれている。現在では、相模川の利水率は70%と言われ、支流の中津川で貯水中の宮ヶ瀬ダムが稼働し始めると95%の利水率になるという。この利水率はまず間違いなく全国一といってよいだろう。
ちなみに、お隣の東京/埼玉/千葉といった利根川・多摩川水系に水源を頼っている地域は、始終水が足りないと騒いでいるが、神奈川県では水不足はほとんどない。これは、相模川の献身的な(?)働きのお陰である。
更に、中流域より上流は首都圏の川とは思えないくらい自然な河原が残っている場所が随所にある。神奈川においでの際には、是非相模川にもお立ち寄りになることをお勧めする。